2001年12月20日、パリ6区Vaugirard通りに一号店がオープンしてからというもの、まさに車輪の回転が止まることなく勢い良く回り続ける、といった感じを受けます。週に最低でも2回はデコの入れ替えやら何やらでSADAブティックへ行くのですが、常連客とスタッフのやりとりを見聞きしながら、「いいお客さんに恵まれているなぁ。。。」と思うのです。

「ほらほら、見てよ。パリナンバー1のパティシエだって書いてあるわよ!すごいじゃない。」とフィガロ誌をわざわざ持参したマダムは私もよくお見かけする方。それだけ店に頻繁に来ているわけですし、とってもこのブティックを、味を愛しているのが嬉しく何ともほのぼのとした気分になって私自身も一日気持ち良く過ごせるものです。

私の友人らも含めてフランス人は皮肉屋さんが多いですし、そう簡単には人を、モノを受け入れたりはしない傾向があります。私の知る限りでも、オープン当初には目が真ん丸くなるような言葉をスタッフに浴びせるために堂々とブティックに入って来たフランス人マダムもいました。手に持っていたデコ用の水入り花瓶を危うく落とすところでした。たまたまアメリカ人ジャーナリスト、他のお客様(フランス人)がいて、スタッフが返答するよりも断然早くピシャリ!とマダムに一喝したのがそのジャーナリストでした。続いて隣にいたフランス人男性客も彼女に対してスマートに、しかしながらかなり辛辣な言葉を発した記憶があります。日本ならどうでしょう?嫌味だけを言いに来店される方はいないかと思います。
オープン当初のスタッフたちは精神的なタフさも必要とされていたように思います。またその一方では、少しずつSADA菓子にひかれ始めたお客様に支持されることが励みになっていたことでしょう。

私もサービス業を生業としながら、お客様へのサービス、マナーについて時には反省したり、考えたりすると共に、客人としてのマナーについても特にSADAブティックを通して考えるようになりました。